高齢化問題④

日常対応となるとわかっていても実効的な内容を伴う
対策は未だありません。有効なのは「カギ破壊」のみ
2020年10月現在、私が実施しているのは以下3つ。
①情報の把握
4年前から、私は各物件の町内会・民生委員担当の方と
お会いして連絡先を伝えています。担当物件の高齢の
方・状況をどれだけ把握されているかを確認させてい
ただいてます。詳細は話されませんので個人情報はわ
かりません。しかしそのおかげで先述した「前日に訪
問する連絡をしてきてもインターホンに出ない」状況
に連絡をもらった。これが先ず私が欲しかった動きで
した。また、居住者間の情報も重要です。とある高齢
の方がある日市指定のゴミ袋を使用せずにポリ袋に氏
名を記入してゴミだしした。自転車を毎回違う場所に
置く等の行動をされる居住者がいると話を聞いていた
ら、数日後に市役所から介護認定が必要な方がいると
の連絡が来ました。その方でした。こちらが把握して
いるとわかれば、公務の方も積極的に協力頂けます。
②情報の共有
①のような事は必ず理事会・総会で報告。ゴミ出しの
件などは理事長から「最近無造作にゴミ出しされてい
る」とのLINEから、居住者特定して報告しました
ここでは一度、「高齢化対策会議」を開催しました。
近所のお蕎麦屋さんで。町内会役員・連絡先の提出等
意見あり、他物件への見本・参考になりました。
③それらがどの程度浸透しているのかを把握する
本人がわかっているのか否か・周りの居住者が理解し
ているか否か・公務(民生委員等)が理解しているか
否か・を段階的に把握する。まあこう書くと統制・規
制・たいへんな作業な印象がでますが、そうではあり
ません。日常お話しする内容をゆるりとデータ化する
といったところでしょうか。
高齢化問題と対応について、無機質に記述してまいり
ました。これも前述しましたが、理事会や総会で問題
・対応などと言うと反感を買います。理由は現高齢者
を物扱いする・縁起でもないといったところでしょう
しかしこの6年間においてたった5物件にて、病院から
入院するよう言われて一旦帰宅し再度病院へいこうと
して共用廊下で倒れて・1F玄関で転んで大腿骨骨折
して入院して・マンション近隣の公園で動けなくなり
通行人から管理人を通じて連絡をうけて駆け付け病院
へ・住戸内で・敷地内駐車場で・前週まで会話してい
た方が亡くなっています。ご批判はあえて受けますが
現実に対処するには無機質な面も必要となるのです。
最後に、2019年10月2日に亡くなられた当時理事長の
K氏。この高齢化問題や私のくだらない体制や業務の
理想を度々聞いていただきました。亡くなられて後日
身内の方から「何か困ったら玉木に言え」と言われて
いたとのお言葉いただきました。様々な事情があり、
踏み込むことが憚られたのですが、私のできうる事は
やらせていただきましたのでご容赦ください。そして
ご冥福をお祈りいたします。

長野県マンション管理士会  玉木 憲