高齢化問題③

高齢化への対応が遅れる原因には、現実をさしおいて
本人が問題としていない。周りがおせっかいと思われ
たくない等の認識の問題が挙げられます。
高齢者が明らかに多い担当物件で、居住届のほかに、
改めて緊急連絡先の提出をお願いしましたが、2年経
過しても半数の方が未提出です。前回民生委員が月1
回訪問すると書きましたが、訪問される方にお聞きし
たところ、突然住居内に入ってきてあれこれ指示され
た(連絡先一覧表の添付場所・床にものをおかない等
)別れ際に口論となった。とのコメントもありました
が、お役目で訪問する方はご苦労様です。しかし、用
もないのに訪問されるのもいかがなものでしょうか?
周りは心配で訪問してくれと私に言ってきます。私は
週一回物件に行きますが、それこそ用もなく訪問して
こられる事を、本人は望むのでしょうか?
そして周りはそれをおせっかいととらえて遠慮します
この物件では町内会役員が理事会役員とは別に、毎年
交代で就任するのですが、7年前に「高齢化で必ず、
なり手がいなくなるからゴミ庫整理や区費集金を業者
に依頼してはどうか?」と提案した方がいたそうです
が、当時は「まだいい」とつっぱねられたそうです。
そして6年後の昨年突然「町内会役員を引退する」と
切り出してこられました。これはここだけではありま
せん。他物件でも「なり手不足」は突然やってくるの
です。予想していた・できたにもかかわらず。です。
現実の問題としてしっかり捉えていても難しい点があ
ります。当時92歳の女性一人暮らしの方から、現在
後見人として司法書士と契約しているが気にくわない
からどうすればいいかと相談があり、その経緯を市役
所のさる部署に色々お伺いしました。
本人の了承を得たうえで諸事情お伺いしてその件は終
わりましたが、しかし1年後、その女性から言われた
のは「市役所から私のことを調べている者がいると言
われた。あなたなんでそんな怪しい事してくれたの?」
私に依頼した事のみ記憶が抜けていたのです。
この時は管理人と3者で常にお話ししていたので管理
人から説明・証言してもらい何事もなく終わりました
全てが難題です。そして今私は職業柄受け手ですが、
必ず将来問題を与える側になる。2018年のデータ
でマンション居住者の50%が60歳以上とあります
高齢化率が高まれば問題ではなく、日常対応と化すの
です。

次回に続く

長野県マンション管理士会  玉木 憲