高齢化問題②

そのレスキュー事件から3か月後、管理費等の滞納が
あり、数回電話しても誰も出ないので、隣の住戸の方
へ電話したら3か月前の顛末を教えていただきました
よく来ていた介護施設の車輛看板の社名を教えていた
だいて最寄りの施設へ連絡すると担当の方が「後で当
方から連絡します」と、その5分後司法書士から電話
をいただきました。後見人です。事件は日曜日で、周
辺の居住者も騒がなかった・管理人が休みだった等で
情報が伝わらなかったのです。
又、次の月に別の物件において、居住者の兄弟の方か
ら一報がありました「前日遊びに行くと伝えて来たが
インターホンを押しても出てこない」「ここに民生委
員もいる」との事でした。居住者はやはり高齢独り暮
らしです。隣家は両方不在でその居住者の会社へ連絡
して住戸内に入れてもらえるかお願いしました。
許可をいただいたので119へ、カギがかかっている
現在内情は不明であると伝えてドアを壊せないかと聞
いたのですが、その場合は先ず警察へ連絡してくれと
いうことだったのですがそこで居住者の兄弟の方から
「中にいました。寝てたみたいでしたすいません」と
の電話。最初の一報から3時間。さすがに何か考えな
ければと思い立ったのです。次の週にその物件の近所
に担当民生委員の方がいると聞き、居住者の年齢から
市役所と連携して情報を得て訪問する。月1回の訪問
で必要な情報を伝える・状況の聞き取り等をするとの
事でした。もちろん個人情報は絶対に漏らしません。
次にその物件の理事会にて先の事象を報告し、過去に
見守りサービスという緊急ブザーのような設備をつけ
ることを検討した・高齢化については意識していると
の見解をお聞きしたうえで、今回のようにカギが閉ま
っていたらどうするか?との提議に、希望者のみ、合
いカギを作成するとの意見に、管理はどうするのか?
問題があったらどうするのか?等意見があり、理事会
は終了。そして他の物件にても同じ説明をしたのです
が、トイレのセンサーで生活を感知する設備など挙げ
られましたが先の見守りサービスと同じく、居住者本
人が望まない・合鍵は論外とのご意見をいただき、更
に他物件でも提議しましたが鍵が閉まった状況に対す
る策という事だけでも実効的なものがありません。
結局現在のところ、ドアを壊したら10万円・鍵を壊
したら2・3万円で修繕とのことで、結構な時間を費
やしたのですが、「鍵破壊」策が最も現実的な対応策
となっています。

次回に続く

長野県マンション管理士会  玉木 憲