ほぼ30年ぶりの総会開催までの話③

前々回に書いたが、管理費集金に必要な手順として挙げ
た内容がある。以下内容についてである。
①総会を実施する事
②総会資料と議事録と組合印をもって組合口座を作る
③その口座に管理費支払いを促す事
こういう表現はよろしくないと思われるがあえて書くと
通常総会議案というのは反対否決されないようなものを
挙げる。議案否決されることは理事会自体への否定であ
るからで、逆を言うと理事会で議案(案)を決めてから
総会資料とするのが通常のやり方である。この物件には
理事会どころか会合自体がない。人が集まらなければ、
可決も否決もないのである。総会とは議案等を挙げてそ
れら資料を作成して鋭意進行させることと考えている関
係者が多いのではなかろうか?総会実施とは人を参加さ
せる事であり、その意義を理解してもらうことが必要で
あると改めて気づかされた。ではどうするか。
①総会を実施する事について
・理事会があると仮定して、挙げるべき案を箇条書きし
区分所有者にどう思うか事前に意見を聞く
・②と③はその案の一つとする。ほかには管理費値上げ
や、専門家の有償雇用する等を挙げた
先ずはアンケート用紙を作成して配ろうと考え、そして
12月3日
来訪者宅へ訪問。アンケート配布をする旨伝えて今後の
スケジュールを作成してみてもらった。ご納得頂いた。
・12月末日決算とする
・1月アンケート集計
・2月最終日曜日に総会開催・逆算して資料配布
これが当初の予定であった。
12月9日・10日
近隣市内在住者宅へ訪問。アンケート用紙配布・投函。
8件ほどまわったが、区分所有者とその近親者にお会い
できたのが7件。1件は本人も所有物件もなく、近所の方
はお名前を知っていたが住んでいないとの情報を得た。
上記7件はすべての方が当マンションについて理解して
いた為、近況と法律相談会での内容を説明してアンケー
トにお答えいただくことに同意いただいた。
12月23日
改めて名簿を作成して相談者宅を訪問。私の見解と意見
を含んだ資料をお渡しして例えば反社会的な方はいなか
った等のお話をした。なんとか年内決算で行けるのでは
ないかと思ったが、この日作戦変更を余儀なくされた。
一人のマンション内に在住の方を訪問して、アンケート
用紙をお渡ししたのだが、状況説明は聞いていただいた
しかし、管理費値上げと再徴収開始を聞いて態度が一変
した。大声で反発・半狂乱となったのだ。相談者住戸内
に帰ってから話し合った。もしかしたら他の区分所有者
も同じかもしれない・・と。安価な管理費と支払いなし
が常識化して正当な主張が曲げられるのでは?そして、
全てが否決されれば全てが停滞する。それは避けなけれ
ばならない。

次回に続く 

長野県マンション管理士会  玉木 憲