機械式駐車場③

②リース型
機械式駐車場メーカー(製造設置会社)がリース契約で
敷地内に設置するケース。管理費会計に駐車場賃貸借契
約費用等で計上される。契約内容にもよりますが、メン
テナンス費用はリース代金に含まれており、例えば15年
リース契約の間、年間4回の点検費用・不具合・故障に
よる部品交換を実施しても新たな費用は発生しません。
とある物件で夏に隣地で落雷があり1か月停止しました
地下部分の2段区画20台は、地元業者の対応でなんとか
出庫できましたが、基盤取り換えが必要で実費だと数百
万円かかるらしいとのお話でした。この時その支払いは
なかったのですが、不測の事故(自然災害等)は契約書
上では使用者負担となっています。このリース契約形態
私は、とても合理的でよく考えられたものだと思います
高額な設置費用・メンテナンス費用・不具合への対応・
専門性のある作業員による対応が保証されている等全て
が定額でパケージされており、会計上もわかりやすくて
所謂サブスクの良い例の一つとしてお勧めできる例です
但し、竣工時設置時での駐車場事情と料金設定・支払い
設定が15年後の事情に合っていればのお話です。担当の
リース契約している物件では、竣工当時マンション周辺
には駐車場がありませんでした。商店街・大手百貨店が
近隣にあり、住居を含む建物密集地だったのです。15年
が過ぎ、現在ではその商業施設は撤退し、個人商店と住
居は軒並み解体・平地化して安価な駐車場に変容しはじ
めたのです。敷地内最下段より隣地平置き駐車場の方が
2割安価であり、契約者のほとんどが当マンション住人
です。その結果、敷地内機械式駐車場契約者は区画数の
半数以下となりました。勿論リース料金は固定額です。
リース料は年間¥400万円超・駐車場収入は満杯でも数
万円の赤字(管理費負担でした)・現在収入は¥200万
円強。5年前から契約者が外へ出始めた為、今後赤字会
計になるとの掲示・告知をしました。4年前からリース
会社と【部分稼動・料金値下】について折衝をしたので
すが、リース契約終了で管理組合所有物となるまでは、
全てが難しいとの説明が繰りかえされるのみで前進はな
し。赤字補填で年々管理費剰余金額が減少する中、住人
による駐車場会議を数回開催。理事会での検討・意識調
査の為アンケートを数回実施・他メンテ業者の検討等様
々な対応をしましたがリース期間残り1年で中途解約の
お話となり、急遽理事会・臨時総会を実施で決議されて
現在部分稼動と機械式設備の解体埋め立て工事の検討を
できる状況となりました。本年度の管理費会計は、初の
赤字。ほかの物件ではありません。しかし契約形態変更
での来季予算は¥200万超の黒字となります。4年越しで
居住者の方々はようやくこの歪な駐車場運用について理
解されるのではないでしょうか。今後、前述したように
解体工事か部分稼動でメンテ契約をするのか・契約者を
どの様に選定するのか・料金価額をどのようにするのか
リースから組合所有となった後は不具合時は実費支出と
なりますので、修理資金も積立てなければなりません。
前項最終行とおなじくなりますが、
今後も覚悟を決めて対峙していかなければならない。
管理組合の皆さんもご覚悟のほどお願いいたします。

次回に続く 

長野県マンション管理士会  玉木 憲