マンション修繕工事②

大規模な工事実施には、金額等によって施工監理者が
必要となります。毎日の立ち合いが必要・残す書面が
必要・それらを実施する方に資格が必要となります。
過去の工事実績によると、見積書を発行した建設会社
に資格者がおり、記録書面・議事録に氏名があります
組織図のような記録書面があり、携わった企業名が記
載されているのですが、2物件ともに大手ゼネコン名
その下に中間業者・さらにその下に実施業者があり、
3社が関わっているとの確認ができました。それぞれ
役目があって、ゼネコンは仕事を請け負う・中間業者
は依頼を受けて妥当な実施業者を探す・実施業者は実
際に現場で作業をする という形でしょうか。
【大規模修繕工事】としたときには大方の場合にて、
複数の工事を実施します。外壁と屋上防水とか複数の
工事が計画されていて、それを請け負ってプロデュー
スして業者に振分けて工事する中、材料発注・工期計
画・人員手配・トラブル処理・作業者と工事への保険
は見積書発行企業であるゼネコンが実施して、現場へ
の対応は中間業者が現場実施企業と打ち合わせしてす
すめていきます。ある大手建設会社で在職していた方
が言ってましたが、ゼネコン等は見積金額の45~40%
を取るとの事。まあ確かに調整役は大変でしょう。又
調達も橋渡しも色々ノウハウ必須と納得したのですが
とある屋上防水施工でこの形で発注し、その物件での
前例に従って設計管理方式で設計会社に発注となり、
工事開始当日、管理会社に数件連続で苦情がきました
「お知らせなしで工事が開始された」との内容です。
工事説明会は前週に実施され、工事資料も配布投函さ
れました。が、それは区分所有者にのみなされ、賃貸
借契約の居住者にはされませんでした。又、工事のお
知らせ掲示物も全くなく、突然足場設置工事が始まっ
たとの苦情でした。本来賃借物件の所有者が賃借人へ
お知らせするのがスジですがそれがなかったとの事。
設計会社担当者が私に電話してきてどうすればよいか
と聞くので、「各居住者に資料を持って謝罪と説明を
してはいかがでしょう。お知らせ掲示は掲示板とエレ
ベータ内と駐車場出口ドア横の3ヶ所に工期と工事の
内容を貼りだしたらいかがですか?」と説明しました
工事開始は1週間延期して、配布資料は1週間かけて
作られたのですが、前述した3ヶ所の掲示をみると、
A4の用紙に詳細な図と工事説明が記載された物が10
枚ずつびっしりと貼られており、掲示板はすべて埋め
られていました。「掲示物は大きく見やすく・内容は
箇条書き・期日のみ簡素に」これが鉄則です。長い文
章などは作成者の意図で書いても殆ど読まれません。
「こんなもん誰が読むか・・」この2月後、無事工事
は終了しましたが、数々の疑問が生じました。特に、
プロデュース役と実務能力について。

次回に続く 

長野県マンション管理士会  玉木 憲