コロナと集会③

平成15年の法改正により電磁的方法による議決権行使
総会決議が可能とされました。
私は総会は同じ空間に集まることが重要であり、議決
権行使書・委任状提出者にさえ疑問がありましたので
メールで議決権行使など考えられなかったのですが、
集会不可・対面不可・皆がそれを要望する様になった
現在、集会・決議・意見収集の方法も考えなければな
らないでしょう。挙げられる問題は以下のとおり。
1役員のなりてなし
2対面で話し合い不可
3集会等時間拘束されるのがいや
解決案として以下のとおり
1集会は全員参加とする
理事長と監事は必要として、理事会は全員参加が基本
として実施する。総会はその年の集大成とする。
2意見書提出・チャット参加・#集会 等で意見する
書面・ウェブ上すべて使用する。限定無し。対面なし
3集会期間とする
(12月20日10時から開催)ではなく、
(12月20日~30日で集計)とする。その期間で意見
集約する集会とする。
複雑な問題・重要な問題をこれで決めてよいのか?
とのご意見はあるでしょう。しかし、皆で決議納得
すれば全員参加で決議する形式です。問題なしです。
私が理事会に参加した物件で、1年前総会で役員の
なりてなしでアンケートをとって輪番制復活か否か
を決議しようと計画しました。翌月私がアンケート
書面を作成して提出しましたが配布されたのが10
か月後でようやく集計。竣工30年ですが数年前に外
壁タイルが一部崩落したにもかかわらず、その一面
のみ修繕し、未だ外壁修繕の意見すら出てません。
修繕計画はありません。さきの輪番制すら反対され
理事会も1年後の今もなにも決められません。
2か月毎に集まって理事会開催しているのにも関わ
らず、何も決められていないのです。コミュニケー
ションの場であると捉える方はいるでしょうが、
喫緊の問題との認識なしのこのような物件において
は必ず人身に関わるような問題が、重要な問題が浮
上するでしょう。深刻な状況に陥ってはじめて本来
意味のある集会が開催される事でしょう。
比べて、本年から理事会を全員参加型とした物件が
あります。6年前は報告のみで30分で終了していま
したが、現在は理事以外の方が出席し、活発な意見
が出されています。この物件でも、先述したチャッ
ト形式の広告と会合についてをご紹介しましたが、
今のところ集会実施を選択されています。今後万が
一事態が悪化した場合、意見交換と参加意欲を維持
できるような形を提案できればと考えております。
速足で記載しましたが、これ等全て2020年の出来事
です。閉塞状況から連絡方法の変更を余儀なくされ
そこから新しい案がすぐに実施されました。前述し
た1年たっても何も決められない物件はコロナ以前
から閉塞状況で今も閉塞状況のままです。
2020年の状況は様々なことを表面化してくれました。
2020年3月にアルコール等消毒液全般が手に入らない
状況で次亜塩素酸水20Lをまとめて入荷できるとの
提案が業者からなされ、4物件で購入しましたが次月
テレビで効果なしとの報道があり、現在は清掃用具
の漂白に使用し、その後にアルコールの大量購入も
考えましたが、引火性があるのでやめた。という一
事象からどう思われるでしょう。即時提案に反応し
次亜塩素酸水を購入したけれど不要だった事の顛末。
費用支出を決めた4物件理事会は失敗でしょうか?
対して何も動かないで支出しなかった理事会は賢明
だったのでしょうか?
 

長野県マンション管理士会  玉木 憲