合有③

前回挙げましたマンションについて説明しますが、
竣工40年弱で、修繕積立金なし。現在も設定されてま
せん。不具合のたびに徴収して支払うのが通常形態で
すから一戸建てと同じ感覚でしょう。按分するので、
各持ち分にて金額を決めて請求します。潜在的持ち分
・突然の請求・共用部修繕という事に各居住者が納得
していれば日常に問題なく運営できてしまう例です。
物件購入・入居前にそれらについて了承済なのですが
将来発生するであろう共用部修繕費は金額不明な将来
債券ですが、不動産をお持ちの方にとってこれは普通
のことではないでしょうか?リスクがあるから保険に
入り貯金をする。全く同じ状況といえるでしょう
逆に竣工当時から毎月積み立てる修繕積立金に意味が
あるのでしょうか?上記物件居住の経験がある方から
その必要性を問われたらどう答えるのでしょうか?
前記した「修繕積立金が足りない」物件の問題点とは
「足りないこと」ではなく「毎月徴収してきたのに足
りない」点にあります。原因として挙げられるのは、
1積立金額設定に問題がある
※ここには設定金額の根拠が間違い又は根拠自体がな
い等いくつかの問題がある。
2修繕計画設定に問題がある
※ここにも設定の根拠自体、間違っている又はない等
の複数問題がある
と、この2つが考えられるのですが、なによりも竣工
時にディベロッパー・管理会社が設定した1・2につ
いて区分所有者が疑問を持たないで長期間過ごした事
3として住人の無参加無関心問題が挙げられます。
不具合の都度支払う当項記述の物件に1・2は関係あ
りません。制度上で納得していれば必要ないのです。
今後【修繕工事】の項にて「足りない」諸問題につい
て書きたいと思っておりますが、ここでは合有財産と
して修繕積立金を含む管理費等の意義について、次項
まとめたいと思います。 

次回に続く
長野県マンション管理士会  玉木 憲