合有 ②

以前担当物件で、最上階住戸で雨漏りが発生し、
屋上防水の劣化が原因でしたが、5年間理事会
で修繕を決議しなかった事例がありました。
お住まいの方は住戸内のみ保険で修繕し続けた
のですが原因を抑えなければ治りません。又
【漏水事故】の項で書きましたが、水道管主管
は共用部・床下壁内の枝管は各個人所有の物で
あり、法的・規約上においては、主管は決議後
でなければ修理できません。枝管は持ち主(区
分所有者)が知らないうちに劣化して下階住戸
を汚損しても管理費等からは支出されません。
※これら漏水対応は前項参照
また、私が現在関わらせていただいている物件
で、修繕積立金がないマンション管理組合があ
ります。ここでは不具合・清掃の必要があると
共用部の場合は管理者(理事長代務者)が業者
に発注し、支払いはその都度区分所有者全員で
按分して支払います。これを40年近く続けて来
たのですが、日常に何の支障もありません。
無論、修繕計画はないので将来の不安はあるで
しょう。耐震等安全面での不安はつのります。
しかし、財産的な面で考えると現在1住戸中古
物件で¥100万円ほどでしょうか?(安かった
らすいません)現在までの居住の利益・組合
解散で取り壊して土地持ち分を処分した場合、
地方都市市内で立地はよいので損なしの金額
ではないでしょうか?(あくまで居住者でない
者の客観的な判断ですのでご了承ください)。
現在、【2つの老い】がマンション問題として
挙げられています。居住者と建物の老いですが
上記の物件がまさにそれです。そこには修繕積
立金が足りなくて対応ができない等の問題が
あり、同じくまさに上記の物件の事です。
しかし、ここ2年間で新規購入者が5件ほどあり
居住者なし住戸はなくなりました。社会的問題
ならなぜ需要があるのでしょうか?

次回に続く 

長野県マンション管理士会  玉木 憲