マンションでは床下~屋根裏配管の漏水で下階を
汚損するケースがほとんどです。
個人で点検・意匠変更できない箇所との事から
共用部扱いであるとの判決がでております。
事故発生時、加害者である上階の住人が気づいて
いる事はほとんどありません。
下階天井から水が漏れてきて被害住戸から連絡が
あり、加害住戸である上階の住戸へ訪問して
「床をはがして点検させてほしい」
とお願いしますが、この時に
①「共用部ですから点検のための工事と原状回復
は管理費(小修繕費)から支出します」
と説明してお願いするのと、
②「漏水箇所は専有部である可能性が高いので、
原状回復等は全てあなたの負担ですがご協力の程
お願いします」
と言うのでは反応が全く違うでしょう。
②では、部屋に入れてくれないかもしれません。
時間が経過すれば被害が大きくなります。
前回で書いたマンションでは漏水事故の際の対応
につき、理事会にて以下の決定がされました。
①床下等の枝管は漏水時は共用部扱いとする
②加害箇所点検は管理費支出で実施する
③現状回復は管理費等で実施する
時間経過で被害拡大を抑える事が最も重要である。
修繕費は計画的修繕だけの物ではない。
等の意見がだされました。
判例はきっかけに過ぎず、
何よりも住戸は同時期に完成しているため、
漏水は連続で発生する可能性が高いとの認識から
「明日は我が身」との思いが共有されたのです。
次回につづく
マンション管理士会 玉木