前項にて【管理不全物件】の記録として書かせて頂いた
そしてこれも前項にて書かせて頂いたが30年ぶりの
総会が開催されたのだが、そこまでの諸作業をここに記
録として時系列で示しておきたいと思う。
2020年10月15日
前項記述した合同相談会が終了後、早速その足で相談者
物件を訪問した。外観だけでも確認したかったからで、
周辺は昭和の平屋一戸建てがほとんど。下町風情にとけ
こんでいるコンクリ5階建てだった。相談者へ電話して、
お出かけのところだったが帰宅してもらい、お住まいの
住戸番号とその他住戸の使用状況をお聞きした。自転車
が多く置かれているのが気になったが、バルコニーの外
観からお話内容とほぼ一致すると思った。全20戸中不在
住戸が5戸らしい。しかし調べる必要があると考えた。
10月19日
再び相談者宅を訪問し、現在所有規約等組合関係書面・
前管理者であった不動産会社作成の住戸番号別名簿一覧
分譲時の契約書面・通帳等を拝見させていただき、複写
をさせてもらう承諾を頂いて持ち帰った。それら書面に
基づいて、可能な限りの資料作成を実施した。資料から
所有者・居住者名とを照合させて新規名簿を作成する。
これには住戸番号・持ち分・在不在記入欄・旧名簿にあ
る連絡先と転出先・所有者か賃貸契約者かのセルを設定
し、メモできるように作成したが、これが今後調査する
過程で詳細な内容記入により埋まる。それが3部程作成
されることとなる。その新規名簿・写真からプリントし
たメモ書きやスクラップ・居住者からの手記・公共料金
領収書(共用部)をファイル化して一資料とした。
10月22日
相談者宅へ再々訪問させていただいた。上記資料とその
内容解説した記述書面をコピーしてお渡しした。101号室
から506号室まで、各住戸毎にわかる範囲でお話を聞く。
殆どの名簿にある区分所有者が遠隔地に居住している。
その方々の動向・現在の状況は不明であるため、資料に
記載はできなかったが、203号室の前居住者が亡くなっ
た管理者である事を初めて聞く。近隣で商売をされてい
て、当マンションの敷地を所有され、全て自己資金にて
当物件を築造し、分譲をする。現在は廃業した不動産会
社が扱った。全週の相談会でお聞きした状況よりさらに
複雑な状況であるとの認識を持った。先ずは相談内容で
あった【集金がままならない】との状況を解消すべく、
必要な作業をお話させていただいた。それは以下内容。
①総会を実施する事
②総会資料と議事録と組合印をもって組合口座を作る
③その口座に管理費支払いを促す事
私は実はこの時点では規約作成等も考えていた。そして
管理組合の新規立ち上げが必要と考えていたのだが、①
の資料作成・つまり開催のメドが立つまでに約半年が費
やされることになるとは知る由もない。
次回に続く
長野県マンション管理士会 玉木 憲