高齢化問題

マンションの問題として挙げられる2つの老い。
建物の老朽化と、居住者の高齢化についてですが、私
が関わらせていただいている物件においても、例えば
竣工40年で修繕積立金が足りない・大規模修繕を一
度も実施していない・水道管が劣化で不具合があるが
修繕できない等、様々な問題を抱えているケースがあ
るところは、例外なく居住者も高齢化を迎えています
建物老朽化は修繕工事の項で今後また書かせて頂くの
で、ここは居住者の高齢化について挙げていきます。
誰でもいつかは高齢者になるので、【高齢化問題】と
書いたりしてはおこがましいのですが、実際、理事会
総会にて高齢者関連(ひとくくりにして大変これも失
礼なかたちですが)の日常事例・コミュニティとして
の対応案を定義させていただき、話し合ってもらおう
とすると不評を買います。あとで管理人から怒られた
り、廊下で居住者から睨まれたりしましたが、しかし
あえて言わしていただく。「これは現実である」と。
敷地内での問題への対応としてはよく、(段差をスロ
ープにする。手すりを付ける)等が挙げられます。設
備的な対応・予算計上は重要なことですが本質はこれ
らではありません。問題は【孤独死を防ぐ事】です。
私が総会でお話しした後、不評を買ったものの中から
挙げさせていただくと、マンション住戸内で変死体と
なったらどうなるか?というのがありました。
床が汚損され、匂いが出る。夏場は三日で腐乱する。
その住戸と下階住戸は売れなくなる。隣家もそうなる
恐れがある。実際殺人事件がおきてマンション名が公
になると全体の住戸が売れなくなって価額が下がる。
みなさんの財産価額が減少するでしょう。これを防ぐ
にはどうすればよいか?一般的には倫理的な問題とし
て孤独死が挙げられている様な印象があります。あえ
てマンション財産価額下落と申し上げました。それは
一戸建てならば、敷地内で完結するがマンションは壁
床1枚(実際は2重床だったりしますが)で仕切られ
ている・共用部でつながっているので受け取られ方が
違うのです。実際に、変死体ではなくても数年間売れ
なかった物件があります。夫婦で住戸内に倒れていた
介護施設の方がきて応答がない。カギがかかっている
為、隣りの住戸のバルコニーからガラスを割ってレス
キューが入った。そして問題は、管理会社がその住人
が亡くなって住戸内不在であることを知ったのが3か
月後だったのです。
 
次回に続く

長野県マンション管理士会  玉木 憲