各共用部とその対応(その3)網戸・サッシ③

前々回のガラス窓の様に網戸では未だ有益費で
の対応による交換工事は実施されていません。
マンションにおいて、共用部も専有部の一部も
修繕等を実施する場合は、基本的には全て理事
会への申請が必要となります。それが突発的な
不具合である場合でも、修繕積立金支出なのか
個人負担なのか、決定・告知・住人合意無くし
て対応はできないのです。
よく「まだ決まらないのですか?」とか
「まだ直さないのですか?」と意見される住人
の方がいらっしゃいます。基本的に不作為・
失念はありません「動けない」事が多いのです
共用部で専用使用権付きというと、サッシ・網
戸の他に、専用庭・バルコニーが当てはまりま
すが、清掃等(保存行為という)は専用使用す
る方が実施します。その中で、網交換という保
存行為ができない・枠全体交換しかできない・
住人合意がなければできない状況は健全とは言
えません。ある一定の規制を敷いたうえで、個
別対応可能とすることも必要だと思うのです。

①個人支出で専用使用箇所の修繕が必要となる
②事前に理事会へ計画を提出
③デザイン・色を規制する
④理事会の承認
⑤以後物件を売却・転出する場合は原状回復・
もしくは、有益費ありと仲介業者等へ告知する

③の内容をどこまで厳格にするのか。
⑤を理解し、その都度合意できるか否か。

問題は多いですが、これらを規約化・細則化・
住人合意できたときには、分譲住戸としての可
能性がさらに広がるのではないでしょうか。

次回に続く 

長野県マンション管理士会  玉木 憲